月が綺麗な夜と不可思議な気持ち
ただの愚痴に時間を割いてくれる稀有な方のみ閲覧したくださいな
自分には小さい頃から夢があった。目指したきっかけは正直よく覚えていない。でもただ漠然とそれに向かって走ることが自分にとって最善の選択であると、今になって考えてみれば半ば無謀な思考に陥っていたのだ。中学や高校の時も、その夢のために多くのものを犠牲にしてひたすらそれに打ち込んだ。その頃は良かった。まだ現実も何も考えずに努力さえしていればいつか叶うものだと信じていれたから。
しかしそんな幻想も、大学に入って簡単に打ち砕かれた。
今まではー周りの人間を見下しているわけではないがー自分が一番上手く、誰も比肩する者などいなかったぐらいだ。だが、新しい場ではそうもいかなかった。
私よりも歴の短い者が大変評価され周りから褒められた。一方の私は何をしても「下手くそ」としか思われていなかった。当然嫉妬もするし焦りもする。その度に浮き彫りになる自分の愚かさに苛立ちを覚えた。
それでも努力は怠らなかった。長い間培ってきた夢の塵は、簡単に掃き取れるものではなかったのだ。
だが、自分の夢が潰える現実に直面した。いや、正確には夢に挑戦する権利さえ失ってしまったのだ。
簡単に言うと試験の門前払いを食らったのだ。
お前には無理だ、と現実を突きつけられた。
あぁ、夢とはかくも脆く崩れていくのだな、とその通告を聞いて思った。そして今までにはないくらいに泣いた。立ち直ることさえ未だに出来ていないほどだ。
しかし時間だけは皆平等に過ぎていくもので、自分がそのことを抱え塞ぎ込んでいる時にはもうすでに三年の冬。就活に急がなければならない時期になってしまった。
それでもなんとか自らを奮い立たせ、新たな目標も見つけることも出来た。就活にも前向きで、将来の自分を鮮明に想像しながら、新鮮な気持ちで臨んでいった。
だが、失敗ばかりの人生だった自分がいきなり成功できる人間に変貌できるわけもなく、ここでも大きくつまづく。
第一志望にはまたしても門前払いを食らった。ESで落とされ、会うことさえ叶わなかった。というよりも多くの会社で書類選考落ちを食らった。
そんな状態でなんとか漕ぎ着けた面接も落とされる。感触は悪くなかった。でも一次で落とされるからにはこちらが不出来であることに疑いはないだろう。
焦っている。
今も面接の対策などを行なっているが正直未来が見えない不安に駆られている。
そんな時にふと思い出す。私の人生は大切なものほど先に手のひらから溢れていったのだと。
友達を失った。物理的に会えなくなった友人もいれば何となく会わなくなった人、こっちが縁を切ってしまったであろう人。様々いる。結界今の私は孤独になった。
よくリアルでは友達はいないがネットにはいる人を見かけるが、正真正銘のぼっち。現実世界から逃げてもまた虚構世界でさえ一人なのだ。友人と親しくする努力さえしてこなかったのだから自業自得といえばそうかもしれない。
生きる目標を失った。自分には天職だと思っていたそれが、実はままごと程度のものでしかなかった。そんなものを誇ってきた、薄っぺらい人生だから、落ちこぼれて当然かもしれない。
ふとした時に死ぬことを考える。もちろんこんなことで死ぬなんて馬鹿らしいと考える人もいるだろう。世間一般には絶対的にそちらが正しい。生きたくても生きられない人に申し訳ないとも思う。
でもそう考えざるを得ない弱い心が私の本質だ。脆弱で、矮小で、くだらない自分自身が嫌いだ。
まだそれが来るのは早いとも思うが、もし本当に私が死んでしまったならばこれを見にきてくれるような変わり者達に謝りたい。何かの縁があってここへ来てくれたのに、その縁を無下にしてしまったこと。そしてこんなものを読ませてしまった、私と違ってとても優秀な貴方たちの時間を無駄にしてしまったこと。
こう綴ったがまだ一応生きる心算はある。まだ月を見上げて綺麗だと思える程度には余裕がある。
もしその時が来るとしたら、天上に広がる無窮のきらめきさえも煩わしいと思うだろう。
まだ、その時ではないのだろうな。